シンガポールは日本と比べると最新技術をルール化して運用するがとても早い国です。今回訪れた際街中でよく見かけた電動キックスクーターはライドシェアアプリを使って気軽にレンタル、また日本では絶対にダメであろう歩道走行が可能。一歩も二歩も先を行っています。ドローンに対しても使用用途による制限が決められております。しかしルールを守ればツーリストでも街中で飛ばすことが可能と寛大な心の持ち主の国です。今回は私のドローン(Mavic air)を持参して飛ばしてきました。
シンガポールでのルールを確認
シンガポールでドローンを飛ばすにはシンガポールの法律を順守する必要があります。まずシンガポールではドローンはUA(UNMANNED AIRCRAFT)と言います。このUAを管理監督しているのはCAAS(Civil Aviation Authority of Singapore)です。こちらに最新の情報がありますのでもしシンガポールでドローンを飛ばす予定がある方はご確認ください。
シンガポールで小型のドローンを個人でレクリエーション目的で飛ばすには許可はいりません。下記の表はCAASに書いてあるのを日本語訳にしました。
屋内or屋外操作? | 屋外 | 屋外 | 屋内または屋外 |
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運営条件 | UA操作が以下のすべての条件を満たす場合 | UA操作が以下の条件のいずれかを満たす場合 | ペイロードを含むUAの総質量が7kgを超える |
・ペイロードを含むUAの総質量は7kg以下 ・UAは200ft AMSL *以下で飛行します ・飛行場/空軍基地から5 km以内にない、制限された危険、保護された、禁止されたエリアの外 |
・UAは200フィート以上のAMSLで飛行します* ・制限区域、危険区域、保護区域、禁止区域内、および飛行場/空軍基地から5km以内 |
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許可が必要? | 許可は必要ありません | クラス2アクティビティ許可が必要 | オペレーター許可証とクラス1アクティビティ許可証が必要です |

アクティビティ許可とは日本でも同じ人口密集地域での飛行や空港に近い場所に個別に必要な許可です。
やるべき事とやってはいけない事の確認
Dos
- 機体の特徴と安全に飛行する方法を知ること
- 飛行前に周囲が安全であることを確認すること
- 機体がよく見える状態かつ良好な天候で飛行すること
- 常に視界の範囲内で飛行すること
- 操縦機器がIDA(情報通信開発庁)の要求を遵守していること
- 人や建物や他の航空機(有人、無人問わず)から十分な距離を保って飛行すること
Don'ts
- 人混み上空で飛行させない
- 機体総重量が7Kg以上は飛行させてはいけない
- いかなる物体も機体から吊るしたり、運んだり、機体に取り付けてはならない
- 有害物質を運んで飛行してはいけない
- いかなる物も落下させたり、放出してはならない
- 救急車等緊急を要するサービスを妨げる場所での飛行は禁止。移動中の車両上空はドライバーに危害を加えたり注意をそらす可能性があるため飛行禁止
- セキュリティ上の重要地域を含む、規制エリア、禁止エリア、危険エリアの域内または上空での飛行は禁止
- 空港と軍事基地から5Km以内は飛行禁止。200ft以上の飛行は禁止。
エリアの確認
基本的には重要施設(発電所、石油化学工場など)と空港エリアはNGです。一般ツーリストが集まるマリーナベイサンズ周辺は200ft以下なら飛行可となっています。ただし私有地の上空などは日本と同じで許可が必要かと思いますので一般ツーリストは川や海などの公共的な場所を選ぶのが無難と思います。私が街中歩いている中でドローン禁止の看板を見たのは「Marina Bay Cruise Centre Singapore」豪華客船が停泊する場所で見かけました。飛ばす前に土地管理者に確認されるのがベターです。
また通常は飛行可能でもイベント日(F1開催日、独立記念日など)は取締りの対象になるそうです。注意が必要です。
200ftは61m
マリーナベイサンズ周辺でもドローンは飛行可となっていますが注意したいのは高度制限があり200ftまでとなっています。200ftは約61mなので60m以下で飛行することになりますが、YouTubeなどでたまにあるマリーナベイサンズを見下ろすような撮影をするドローンがあります。マリーナベイサンズは高さ200mですのでこのような撮影はCAASのアクティビティ許可が必要です。あとは先ほども言いましたが私有地は土地管理者の許可が必要かと思いますので、一般ツーリストは「Gardens by the Bay」の上空での撮影は控えた方が良いと思います。

飛行場所を検討
シンガポールの法規は確認したので次はどこで飛ばすのが一番よいのでしょうか?マリーナベイサンズとマーライオンの間にあるマリーナ湾なら法的にも問題ないのですがちょっと人が多いですよね。もし人混みに落下させてしまったり、ロストなんてしたら冷や汗もんです。シンガポール初フライトは人気のないところで何かあっても問題ない場所にします。
本当はここで飛ばしてみたいと我慢しつつ移動します。
マリーナベイサンズ側。マーライオン側は人がいっぱいだけどこちらは穴場。
カジノを素通りしつつ。
ガーデンズバイザベイの横にある歩道をひたすら歩きます。
途中こんな標識あり。
マリーナベイサンズから歩くこと約25分。やっと着きました(汗だくです)。
マリーナバラージへはバスでも行けます。
Marina Barrageにて飛ばしてみた
マリーナ湾にあるMarina Barrage(マリーナバラージ)とは?
Marina Barrageはシンガポールのダムで、Marina EastとMarina Southの間のMarina Channelを横切って、5つの川が合流しています。シンガポールの15番目の貯水池として2008年10月30日に正式にオープンしました。それは貯水、洪水調節およびレクリエーションを提供する
貯水池を管理する建物で門を開閉するモーターがあるところです。ここの屋上がとても素晴らしいところで一面の庭園になっています。グループでダンスレッスンをしたり、家族連れがボール遊びをしたりと公園的なところです。またここはスカイレジャーが盛んなところで私が訪れた時もスポーツカイト(凧揚げ)をやっている方が大勢おりました。ドローンもスポーツカイト同様に法規を順守して飛ばすことは全く問題はなくたまにくる施設管理者も全く何も言いません。
建物の内部に電気施設。
ループトップの屋上庭園を目指しましょう
ここがルーフトップの屋上庭園。広い!
コンパスキャリブレーションが完了できない
マイフライト毎に必要なコンパスキャリブレーション。ドローンを手に持って人がくるくる回ったりするあの動作です。ですが何回やっても完了できません。NGがでます。周りからはクルクル回る変な人と思われても仕方なく気にせず完了するまで何度もトライします。なんとか10回目ほどで完了しましたが何故にうまくいかないのでしょうか?おおよそ予想が付きますがこの場所マリーナバラージは電気施設です。モーターの電磁波ノイズ干渉を受けやすいところだと思われますので屋上庭園に上がる前にコンパスキャリブレーションを済ましておくのがベスト(ドローン的にはその場所でするのが一番良いと思いますが、なかなか完了してくれませんので)。
初の海外フライト
私のドローン(Mavic air)が初めて海外で飛び立ちました。コンパスキャリブレーション完了するまでに時間かかったのでフライト出来る時間がだいぶ減ってしまいました。
マリーナバラージ全景。サッカーできちゃうぐらいの広さ。
ガーデンズバイザベイに侵入しないようにギリギリを攻めます。
想定外のトラブル
突然コントローラ側の映像が表示できなくなり黒くなります。ドローンとコントローラの送受信ができなくなりました。この症状は石垣島で飛ばした際にも発生しましたが石垣島の時はかなり遠方と遮断する森林などがあったため移動することにより解消できましたが、今回はドローンとコントローラの位置関係は離れていも150m。電波を遮断する弊害物は全くありません。私のドローン(Mavic air)は動画転送はWi-Fiと同じ2.4GHzもしくは5.8GHz帯(日本では2.4GHzのみ)で今回は5.8GHz帯を自動選択していましたが電波干渉が起こりました。一時的に復帰するタイミングでホームリターンを実行しロストという最悪の危機は回避できましたが電波干渉という想定外のトラブルでかなりチキンハートになりました。
いままで田舎もしくは宮古島・石垣島程度しか飛ばしたことがないのでシンガポールの都市部で飛ばしたことがないのであまり気にしませんでしたが、Mavic airはWi-Fi動画転送システムの弱さが明るみになりました。
帰国後AmazonにてMavic airの電波をより多くキャッチする増幅器がありましたので購入してみました。
使ってみてどうだったか次回レビューしたいと思います。
出来上がった動画
トラブルがあり当初は複数個所での撮影を求めていましたが結果一か所での同じようなアングル撮影ばっかりになりました。
シンガポール マリーナバレージでドローン DRONE FLIGHT AT SINGAPORE MARINA BARRAGE
総括
今回マリーナバラージのみでの撮影でしたが、次回はマリーナベイサンズ周辺、幾何学模様のマンションのあるところでも撮影したいです。またMavic airでは都市部特有の電波干渉の影響をモロに受けやすいのでMavic proシリーズで採用されているOcyusinc(オキュシンク)動画転送システムが安心ということなので次回は機体をアップグレートしたいと思うこの頃。